あなたの会社はどのタイプ?4つのタイプに応じたWeb戦略を教えます。

製造業の現場では、長年にわたり営業マンの訪問や展示会を通じた販売活動が主流でした。しかし、デジタル時代の到来とともに、BtoBビジネスの購買プロセスにも大きな変化が訪れています。特にWebサイトを活用した情報収集が当たり前となった今、Webマーケティングをいかに取り入れるかが、今後の売上や取引先の拡大に大きく影響するようになりました。
本記事では、製造業に特化したWebマーケティングの考え方と、その成功のための具体的な5つのステップについて体系的に解説します。
目次
製造業にWebマーケティングが必要な理由
BtoB顧客の購買行動の変化
近年の調査によれば、BtoBの購買プロセスの57%は営業担当と会う前に完了しているとされています。顧客は自社の課題に合った製品や技術を、まずはネット上で検索・比較・判断しており、企業サイトはその情報収集における最重要チャネルとなっています。
BtoBとBtoCのWeb利用の違い
項目 | BtoBサイト | BtoCサイト |
---|---|---|
アクセス数 | 少ない | 多い |
意思決定者 | 複数人 | 一人 |
検討期間 | 数ヶ月〜数年 | 数十秒〜数日 |
取引規模 | 大きい・長期 | 小さい・短期 |
製造業においては、技術的な訴求や対応実績など、信頼に足る情報提供が不可欠です。そのためには、戦略的に設計されたWebサイトが必要となります。
次章からは、実際に成果を上げるために欠かせない5つのステップについて、順を追って詳しく解説していきます。
成功の5ステップ
Step1:商材ごとのWeb戦略の策定
商材の分類にあたっては、「有形か無形か」「顧客の知識量が多いか少ないか」という2軸で考えることが重要です。
- 有形商材:目に見える製品そのものを販売する商材(例:部品、装置など)
- 無形商材:技術やノウハウ、設計力など形のないものを売る商材(例:金属加工、基板設計、開発支援など)
この2軸の組み合わせにより、以下のように4つのタイプに分類され、それぞれに適したWeb戦略が存在します。
製造業の商材は大きく4タイプに分類できます。
それぞれのタイプには特徴があり、顧客の知識量や商材の性質によって、Webサイトで取るべき戦略が異なります。以下に各タイプの概要を簡単に紹介します。
- スペック重視商材:抵抗器やコンベアのように仕様が明確で、顧客が自ら比較・選定できる商材。
- カスタマイズ製品:トランスや特殊レンズなど、仕様が顧客ごとに異なり、説明や説得が必要な商材。
- 図面あり技術商材:金属加工など、図面を元に製造される商材で、技術的な強みの訴求が重要。
- 構想段階技術商材:試作や開発設計など、図面のない初期段階から相談が始まる商材。
それぞれの違いを表にまとめると以下の通りです。
タイプ | 商材例 | 特徴 | 適切な戦略 |
---|---|---|---|
スペック重視商材 | 抵抗器、コンベアなど | 顧客が製品に詳しい | 製品検索・資料DL・低ハードルCV設置 |
カスタマイズ製品 | トランス、カメラレンズ | 顧客が詳しくない | 説得要素の多い製品ページ・動画活用 |
図面あり技術商材 | 金属加工、基板設計 | 図面から判断 | SEO強化・事例紹介 |
構想段階技術商材 | 試作・機械設計など | 相談段階 | 技術コラム・ノウハウで集客 |
このように、商材の性質と顧客の知識量に応じてアプローチを変えることで、より高い効果が期待できます。
さらに、Webサイトで成果を出すためには「集客力」と「営業力」の両面を意識した構造が重要です。具体的には、アクセスを増やすための施策と、問い合わせ(コンバージョン=CV)を獲得するための導線設計の両立が求められます。
CV獲得の基本構造は以下の式で表すことができます。
CV = アクセス数 × CV率(コンバージョン率)

この構造を意識することで、Webマーケティング全体のボトルネックを把握しやすくなり、改善に取り組みやすくなります。
Step2:SEOによる見込み客の集客
Webサイトへの集客にはSEO(検索エンジン最適化)が欠かせません。製造業では以下のような戦略が有効です。
- CVに近いキーワードから着手(例:「〇〇加工 + 地域名」など)
- 段階的にキーワードを拡張
キーワード種別 | 例 | 検索意図 |
---|---|---|
スモール | ダイカスト 製品 板金化 | 課題解決を目的とした検索 |
ミドル | 板金 試作 | 情報収集中 |
ビッグ | 板金 | 幅広く情報を探している |
SEOを意識したコンテンツを定期的に追加することが、検索流入の安定的な獲得につながります。
Step3:ソリューションページの設計
単なる商品紹介ページではなく、課題解決型のページ構成にすることがポイントです。
構成要素
- 問題提起:顧客が抱える代表的な課題を提示
- 結果:当社の技術・製品で解決できる内容を伝える
- 実証:導入事例やデータで裏付け
- 信頼:第三者評価や実績の提示
- 安心:品質保証、Q&A、サポート体制
- 行動:CTA(問い合わせ・資料請求など)
これにより、顧客の意思決定を後押しし、問い合わせにつなげやすくなります。
Step4:CTA(Call to Action)の階段設計
検討期間が長く、意思決定者の多いBtoBの世界では、「いきなり問い合わせ」はハードルが高いため、段階的なコンタクトポイント(中間CV)を設けることが重要です。
階段設計の例
- 資料ダウンロード(技術資料、選定ガイドなど)
- サンプル・デモ申し込み
- 問い合わせ・商談予約
このように、段階を踏むことで顧客の心理的ハードルを下げ、顧客の行動を促しやすくなります。
Step5:製造業のコンテンツマーケティング
製造業のWebマーケティングでは、単発のキャンペーンよりも継続的なコンテンツ発信が成果につながります。
コンテンツマーケティングの狙い

主な施策とそのメリット
施策 | 特長 | メリット |
---|---|---|
技術コラム | 専門知識を記事化 | SEO効果、信頼性向上 |
ホワイトペーパー | 詳細なPDF資料提供 | リード獲得・信頼構築 |
導入事例 | 解決事例紹介 | 共感を得やすい |
FAQページ | よくある質問 | 問題解決、SEO対策 |
業界レポート | 業界知見の提供 | ブランド強化、SNS拡散効果 |
メルマガ | 定期的な情報提供 | 継続的な接点構築 |
継続的な情報発信により、Webサイトが「資産」となり、将来的な問い合わせ数や商談件数の増加につながります。
まとめ
製造業におけるWebマーケティングは、単なる情報発信にとどまらず、戦略的に見込み顧客を集め、信頼関係を構築し、商談へとつなげる営業支援ツールです。
本記事で紹介した5ステップを押さえることで、Webサイトを通じた新規顧客獲得や商談数の増加が現実のものとなります。特に、自社の商材の特性に応じたWeb戦略、SEOとコンテンツマーケティングの両輪をバランス良く回すことが、成功への近道です。
今後はWebサイトを“見せるだけのパンフレット”ではなく、“育てて使う営業ツール”として捉え、長期的な視点で運用していくことが求められます。
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