「良いモノなら売れる」からの脱却。製造業の「作り手主導」×アンゾフマトリクス

コンテンツ担当アイリーラボ編集部

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「素晴らしい技術を使って、画期的な製品ができた。これは絶対に売れるはずだ」
日本の製造業において、こうした「作り手主導(プロダクトアウト)」はイノベーションの源泉です。しかし一方で、「モノは良いのに、思ったほど売上が伸びない」「既存の取引先以外に販路が広がらない」という悩みを抱える企業様も少なくありません。
私たちアイリーラボは、製造業に特化したWeb戦略のパートナーとして、多くの企業様とお話ししてきました。その中で確信しているのは、作り手主導(プロダクトアウト)は決して間違いではないが、それだけでは不十分であるということです。
今回は、経営戦略のフレームワークである「アンゾフマトリクス」を用い、自社の技術(既存製品)を新たな市場で売るための考え方について解説します。

目次

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    1. 「作り手主導(プロダクトアウト)」の可能性と限界

    多くの製造業、例えば弊社のクライアントであるA社様は、展示会に向けてまず製品を形にし、市場の反応を見るというスピード感のある開発スタイルを取っています。これは製造業の大きな強みです。

    顧客自身も気づいていないニーズを掘り起こすiPhoneのような革新的な製品は、徹底した「プロダクトアウト(作り手主導)」からしか生まれません。

    しかし、製品開発には成功しても、「誰に売るか(市場)」の選定を誤ると、その製品は日の目を見ません。

    市場が成熟し、モノが溢れる現代において、「良いものを作れば自然に売れる」という時代は過ぎ去りました。

    せっかく生まれた「良い製品」を眠らせたままにしないために必要なのが、これから紹介する「アンゾフマトリクス」という地図です。

    2. 戦略の地図「アンゾフマトリクス」とは

    アンゾフマトリクスとは、「製品」と「市場」をそれぞれ「既存」と「新規」に分け、企業の成長戦略を4つのパターンで整理するフレームワークです。

    製造業の皆様は、自社の今の動きがどこに当てはまるか考えながらご覧ください。

    1. 市場浸透(既存製品×既存市場)
      今いる顧客に、今の製品をもっと売る戦略です。シェア拡大やリピート促進がこれにあたりますが、市場自体が縮小している場合は限界があります。
    2. 新製品開発(新規製品×既存市場)
      今の顧客に、新しい製品を売る戦略です。既存ルートを使えますが、開発コストがかかります。
    3. 多角化(新規製品×新規市場)
      全く新しい製品を、全く新しい市場へ売る戦略です。リスクが最も高く、中小・中堅企業にはハードルが高い領域です。
    4. 新市場開拓(既存製品×新規市場)
      ★今回注目すべき戦略
      すでに完成している「既存製品」を、「新しい市場(顧客)」に売る戦略です。

    3. なぜ今、「既存製品×新市場」を狙うべきなのか

    多くの製造業が、売上拡大のために「2.新製品開発」や「1.市場浸透」に注力しがちです。しかし、私たちが最も推奨したいのが、「4.新市場開拓(既存製品×新規市場)」です。

    理由はシンプルです。「製品はすでにあるから」です。

    作り手主導(プロダクトアウト)型企業は、すでに高い技術力で完成された製品(資産)を持っています。新たに莫大な開発コストをかけずとも、「売る場所」を変えるだけで、その製品が飛ぶように売れる可能性があるのです。

    「新市場」をどう捉えるか?

    「新市場」といっても、海外進出のような大掛かりな話だけではありません。視点を少しずらすだけで、市場は無限に広がります。

    • 用途(アプリケーション)の転用
      • 自動車エンジンの部品技術 → 航空機や医療機器部品
      • 工場用の衛生管理システム → 飲食店チェーンや製薬業界
    • ターゲット属性の変更
      • BtoBのプロ用工具 → DIYブームに乗せて一般消費者(BtoC)
      • 大手企業向けの高機能製品 → 機能を絞って中小企業向け

    製品のスペック(機能)は変えず、「誰の・どんな課題を解決するか」という定義を変えること。これが製造業における新市場開拓の鍵です。

    4. 市場開拓のリスクと「分析」の重要性

    もちろん、新市場への進出にはリスクも伴います。

    今まで付き合いのあった業界とは「商習慣」や「法規制」が異なる場合もあれば、競合他社の顔ぶれも全く変わります。既存市場では有名企業であっても、新市場では「無名の新人」からのスタートです。

    作り手主導(プロダクトアウト)の弱点は、「市場を見ずに作るため、ニーズとのズレが生じやすい」ことにあります。

    だからこそ、情熱で作った製品を、冷静な頭で「分析」するプロセスが不可欠です。

    • この技術は、他のどの業界なら「喉から手が出るほど欲しい」と思われるか?
    • その新市場には、どんな競合がいて、どんなWEB戦略をとっているか?

    この分析なしに飛び込むのはギャンブルですが、分析に基づいた進出は「戦略」になります。

    アイリーラボのワンポイントアドバイス
    私たちアイリーラボでは、お客様の製品やサービスの強みを正しく理解するためのアプローチとして、このアンゾフマトリクスを活用した現状分析を行っています。
    お客様が持っている技術や製品を、改めてマトリクスに当てはめて整理してみる。そうすることで、「実はここの市場が空いているのではないか?」「この製品は別の使い方ができるのではないか?」といった新しい可能性が見えてきます。
    Webサイトやカタログを作る前に、まずは自社の製品を客観的に「理解・分析」してみる。それが、結果として製品のポテンシャルを最大化する近道になります。

    まとめ

    「良いものを作れば売れる」という信念は、製造業にとって大切です。

    しかし、その良いものを「どこで売るか」を間違えてしまっては、技術の持ち腐れになってしまいます。

    「作り手主導(プロダクトアウト)」×「アンゾフマトリクス(市場戦略)」

    この両輪が噛み合ったとき、製造業のビジネスは大きく加速します。

    「自社の製品をもっと広い世界で売りたい」「今の市場だけでは先細りだ」とお考えの企業様は、ぜひ一度アイリーラボにご相談ください。御社の製品が輝く「次の市場」への挑戦を、分析と戦略で伴走支援いたします。

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