製造業のホームページにオウンドメディアは必要?「指名検索」の限界と売上の壁を突破する戦略
「うちはBtoBの製造業だし、製品情報さえしっかり載っていれば十分ではないか?」
「ブログやコラムなんて書いている暇はないし、日記のようなものを書いても意味がない」
製造業の広報・マーケティング担当者様から、よくこのようなご相談をいただきます。
結論から申し上げますと、製造業のホームページにオウンドメディア(ブログ・コラム)は必要です。
ただし、「ただなんとなく更新するだけ」なら不要です。
会社の売上を伸ばすための「集客サイト」として機能させる戦略的な運用ができるかどうかが、Web活用の成否を分けます。
今回は、なぜ製品ページだけでは不十分なのか、そしてAI検索が台頭する時代にどのような情報を発信すべきなのか解説します。
目次
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「製品ページ」だけでは、なぜ売上が頭打ちになるのか

まず、既存のホームページにある「製品詳細ページ」や「ソリューションページ」について考えてみましょう。
これらは非常に重要です。なぜなら、すでに製品の購入を検討している「今すぐ客(顕在層・明確層)」にとって、最も知りたい情報だからです。スペック、寸法、導入事例などは、購買決定の最後のひと押しになります。
しかし、製品ページが捕まえられるのは、主に「社名」や「製品名(型番)」で検索してくるユーザーだけです。これをWebマーケティング用語で「指名検索」と呼びます。
指名検索だけでは「新規」に出会えない
もちろん、指名検索をしてくれる「今すぐ客」への対応は最優先です。しかし、それだけでは以下のような壁にぶつかります。
- 母数の限界: 御社の社名や製品名をすでに知っている人の数は限られています。
- 認知の壁: 「御社の製品名をまだ知らないが、現場の課題を抱えている人」は、今のサイトには辿り着けません。
製品情報が詳しいだけのサイトは、いわば「Web上のカタログ」です。既存顧客には便利ですが、新しい顧客を連れてくる力は弱いのです。このままでは、いずれWebからの問い合わせ数や売上は頭打ちになってしまいます。
アイリーラボのワンポイントアドバイス
Googleサーチコンソールなどの分析ツールを見てみましょう。検索キーワード(クエリ)のほとんどが「社名」か「製品名」になっていませんか?もしそうなら、それは「知っている人」しか来ていない証拠。新規開拓の余地がまだ大きく残っていますよ。
オウンドメディアの役割は「潜在層」との接点づくり
では、どうすれば「まだ製品名を知らない客(潜在層)」を集められるのでしょうか。
ここで必要になるのがオウンドメディア(ブログ・コラム)です。
オウンドメディアの目的は、ユーザーが抱えている「悩み」や「課題」に関連するキーワードで検索されたときに、自社の記事を表示させることです。
検索結果を通じて「この技術分野なら〇〇社が詳しい」という認知と想起を獲得します。
AI時代に狙うべきは「KNOW」ではなく「DO」
ここで非常に重要なのが、「どんなキーワードで記事を書くか」です。
昨今、Googleの生成AI(AIO)の進化により、検索の常識が変わりました。
- 狙ってはいけない:KNOWクエリ(〜とは?)
- 例:「射出成形とは」「IoTの意味」
- 理由:言葉の意味を知りたいだけの質問は、AIが完璧に回答してしまいます。ユーザーは検索結果のリンクをクリックせず、AIの回答を見て満足して終わります。ここに労力を割くのは非効率です。
- 製造業が狙うべき:DOクエリ(〜したい、〜する方法)
- 例:「射出成形 バリ 対策」「金型 コストダウン 方法」「〇〇加工 精度出し」
- 理由:現場の担当者が抱える「具体的な困りごと」や「実践的な解決策」を求めている検索です。こうした実務に基づく知見(現場の知恵)は、AIにはまだ模倣しきれません。
製造業の皆様が日々現場で蓄積している「技術ノウハウ」や「トラブルシューティング」こそが、これからのSEOで勝てる強力なコンテンツになります。
記事を読ませて終わりではない。「ホワイトペーパー」でリードを獲得する

オウンドメディアでアクセスを集めても、それがいきなり「お問い合わせ」や「見積もり依頼」につながるわけではありません。
なぜなら、検索してきたユーザーはまだ情報収集段階の「潜在層」であり、いきなり営業と話すのは心理的なハードルが高いからです。
そこで用意すべきなのが「ホワイトペーパー(お役立ち資料)」です。
- 記事(ブログ): 広く浅く、課題解決のヒントを提供して集客する。
- ホワイトペーパー: 記事の内容をさらに深掘りした「技術資料」「選定ガイド」「事例集」などをPDFで用意する。
「続きの詳しい資料はこちらからダウンロードできます」と案内し、会社名やメールアドレスを入力してもらうことで、見込み客リスト(リード)を獲得します。
ここまで設計できて初めて、オウンドメディアは「会社の資産」になります。
アイリーラボのワンポイントアドバイス
ゼロから立派な記事を書く必要はありません。社内に眠っている「営業用の提案資料」や「新人研修用の技術マニュアル」「過去のセミナー資料」などが宝の山です。
それらを整理してPDF化するだけでも、立派なホワイトペーパーになります。
まとめ:製造業こそ「待ち」ではなく「攻め」のWeb運用を
製造業のWebマーケティングにおいて、「今すぐ客」には製品ページを、「これから客(潜在層)」にはオウンドメディアとホワイトペーパーを。この2段構えの構成が、売上の壁を突破するカギとなります。
AIに負けない「現場の専門知識」を発信できるのは、製造業の皆様だけです。
- 「自社の技術なら、どんなキーワードが狙えそうか?」
- 「手元にある資料から、どんなホワイトペーパーが作れるか?」
もし迷われた際は、製造業に特化したアイリーラボにご相談ください。御社の強みを引き出し、成果につながるWeb戦略をご提案いたします。
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